富裕層向けの旅行商品について
ツイート格安航空券を求める人がいれば、豪華客船による超高額クルーズ商品を買う人もいる。ここでは、富裕層向けの市場を狙う各社の競争ぶりを見てみましょう。
クルーズ市場の拡大
2010年4月に出発する、「飛鳥U」の世界一周クルーズ。7月までの長い旅で、料金は435万円から2500万円。超高額なこの旅行商品を売り出したのは「郵船クルーズ」です。発売からわずか半月で完売、キャンセル待ちが続いており、予約は来年の分にまで及ぶ人気を博しています。
JTBは、東京・銀座にある高級旅行の専門店舗「ロイヤルロード銀座」に、世界一周クルーズだけを取り扱うデスクを置き、顧客の囲い込みに精を出しています。
近畿日本ツーリストや日本旅行は、本格的にクルーズ専門の営業体制を敷きました。HISでは、子会社である「クルーズプラネット」が世界の客船会社と直接契約を締結しました。各社の間で、クルーズ商品の開発と、売買の成立数を競う傾向が激しくなってきています。
「飛鳥U」だけではなく、2009年以降は商船三井の「にっぽん丸」、日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」も世界一周クルーズ商品を打ち出しています。クルーズ市場は、拡大するにつれ、旅行会社の大きな収益源となりつつあると言えるでしょう。
また、人気の国内クルーズに取り組んでいるのは、地方の中小旅行会社です。各社は共同で商品を開発したり、販売したりしています。
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富裕層を狙え
JALは2008年3月、富裕層の顧客向けに、豪華海外旅行「超休日」を売り始めました。前に書いた、東京・銀座の高級旅行専門店「ロイヤルロード銀座」では、利用客の注文に沿ってプランが組まれる「ロイヤルロード」をはじめ、六種類の富裕層向けブランド商品の販売をしています。
また、KNTも、JTBと同じ銀座に「ラグゼ銀座マロニエ」をオープンするなど、大手旅行会社、空港会社、客船会社各社は、富裕層の市場を狙い撃ちする競争を激化させています。日本旅行は、旅に慣れた富裕層向けに、自分好みに作り替える事のできるパッケージ商品として、「地球の贈りもの」を販売しています。これにはパターンが二つあります。
美術、音楽、世界遺産など、趣味的であったり、珍しい体験ができたりする「周遊型コース」。もう一つは、ホテルやリゾートにこだわった「滞在型ツアー」です。
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