ホールセラー会社の動向について
ツイートホールセラーは旅行業界と密接な関係がありますが。国内航空会社のホールセラー会社の最新動向を解説します。
ジャルパック
1964年に日本で最初の海外パッケージツアー「ジャルパック」が誕生しました。この年は、東京オリンピックの開催年です。翌年からジャルパック7コースがJATA加盟旅行会社から(47社)一斉に売り出されました。そして、1969年からホールセラーとして、「旅行開発株式会社」が設立されました。この会社が、「ジャルパック」の企画、運営、管理、販売を行ったのです。
1978年に若者向け自由旅行「ZERO」、1987年に「AVA」を発表しました。1999年から社名を「株式会社ジャルパック」に改称しました。そして、「ジャルパック」に変わる新商品「I’ll」を発表しています。
ジャルツアーズ
1976年、日本航空の国内ホールセラーとして国内旅行開発株式会社が設立されました。「日航ジェットプラン」が誕生しました。そこで、JAL沖縄キャンペーンが開始されたのです。東亜国内航空では、1978年にホールセールス部門を設立、「ナイスウィング」のブランドで発売しました。
2002年、JAL、JASの国内統合でホールセラー会社も統合され「ジャルツアーズ」となりました。2003年からブランド名「JAL STAGE」「ふらり」で発売されました。JAL沖縄キャンペーン、JAL九州キャンペーン、春夏秋の北海道キャンペーンも実施しています。
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新生ジャルパックの誕生
ジャルパックとジャルツアーズは、JAL本体の経営再建に伴い、2011年4月に合併となり、社名は「ジャルパック」となりました。12年3月期の旅行取扱高は、海外630億4345万円、国内971億5878万円で合計は、1602億233万円でした。これは、業界第9位です。
日本航空についていえば、2012年3月末で会社更生法手続き完了しました。東京地裁の管理を離れて、やっと通常の株式会社として運営できます。10年3月の経営破たん前と比較すると、路線を20%減、従業員30%減のリストラを実施しスリム化しました。11年3月期は、過去最高益を出しています。
しかし、東日本大震災の影響もあって、国内外とも乗客減少となりました。更に、格安航空会社の本格的路線参入もあって苦しい状況が続きます。そこで、12年度を初年度とする中期経営計画の発表を行い、新たな経営基盤の強化を図っています。
ANAセールス
ANAグループのホールセラー会社は、ANAセールスです。2002年、「株式会社エーエヌエー・セールス・ホールディングス」が設立され、翌年[ANAセールス&ツアーズ株式会社」と社名変更しました。更にグループ旅行会社の「全日空スカイホリデー株式会社」「全日空ワールド株式会社」「全日空トラベル株式会社」の三社と合併しました
そして、2005年「ANAセールス株式会社」に社名変更しました。内容も、エアライン事業と旅行企画事業を行う、グループ会社の販売戦略会社として重要な役割を担っています。エアライン事業は、ANAやエアーニッポンの航空座席販売を行います。旅行企画事業部は「ANAスカイホリデー」「ANAハローツアー」などの旅行商品の企画販売、訪日旅行、手配旅行、旅行積み立てプランなど旅行ビジネスを展開しています。
FITの強化とネットの充実
■ANAセールスの主要取扱商品
- 「ANAスカイホリデー」(国内募集型企画旅行)
- 「ANAはローツアー」(海外募集型企画旅行)
- 「旅作」(国内・海外ダイナミックパッケージ)
- 「ANA旅行積み立てプラン」(積み立てプラン)
ANAセールスでは、ウェブでの販売をいち早く行いました。「旅作」はその例で、新しい旅行形態の創出してきたのです。同社のターゲットはこれから中国、シニア、インターネット、個人旅行(FIT)を主力と考えています。
FITは特にインターネットの強化とネット取り扱いを充実ささて、予約上の利便性を更に向上させることに注力しています。内容は、取扱ホテル数の大幅な拡充、オンライン即応、国際予約も可能にするシステムを導入することなどです。
航空会社のゼロコミッション
海外旅行低迷の時代です。航空会社と旅行会社の間の問題も生じます。一つは、燃料サーチャージ、航空会社の旅行会社への手数料(コミッション)などです。旅行業界への影響は大きいものがあります。HISは利用者に手数料徴収を開始、JTBは手数料基準を変更しました。取引形態が変わってきているのです。
この背景には、格安航空会社の台頭や旅客低迷です。明らかに航空会社の経営環境が世界的に変化してきているのです。JAL,ANAはその対応を行っています。これまではコミッションは平均5%が相場でした。これがゼロコミッションになり、旅行市場全体のパイが縮小しています。旅行会社間の競争は大中小を問わず激化しています。
旅行会社へ支払われてきた手数料商売という根本が崩れつつあります。抜本的な見直し時期が到来しているのです。
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