旅行サイトが急成長した経緯

旅行サイトが急成長した経緯

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現在ではごく当たり前の旅行サイト。その先駆けは、日立造船の社員向け予約システムでした。

 

旅行サイトが急成長した経緯

 

ホテルの窓口から

 

「ホテルの窓口」。それは、日立造船グループ社員が出張する時に、ホテルを予約する為のシステムが進化した姿でした。1996年1月、名もなきシステムからその名を得て、86件のホテルが登録された状態でスタート。次の年には会員は二万人を超え、登録施設も300以上になりました。

 

「旅の窓口」。それは、1999年に、「ホテルの窓口」が機能も新たに生まれ変わった姿です。旅行に関する色々な情報や、ホテル予約にとどまらない様々な機能を搭載。マイ・トリップネットは、2000年に「旅の窓口」が分社化されたものです。

 

会員数は310万人、宿泊施設契約数は約12000件、経営利益は10億円(2002年度決算)を計上。分社化以降、急成長ともいえる程、業績を伸ばしました。

 

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楽天トラベルへ

 

「ホテルの窓口」の魅力とは、何だったのでしょうか。それは、サイト内に設置された「情報交換の広場」にありました。ホテルを利用したお客がホテルの情報を投稿し、ホテル側もそれに答える。いわば口コミサイトの様相を呈していますね。

 

最初は単なる社員の出張用システムだった「ホテルの窓口」を楽天株式会社が買収したのは、2003年9月。その額323億円。電子取引による旅行に深い関心を寄せていた楽天は、マイ・トリップネット社を買収した翌年8月1日に楽天トラベルと合併、社名も楽天トラベル株式会社と新たにし、今に至ります。

 

コミュニティの力

 

お客がホテルに泊まり、その利益の数%を紹介手数料としてサイトが受け取る。それが、旅行サイトの基本的な運用形態です。その手数料の利率は、サイトの集客力、送客見込みや実績によって決まります。

 

「旅の窓口」の成功例を見てみましょう。顧客との間の良好な関係は、次の利用を生みます。利用客による口コミ、また、その書き込みに対する宿泊施設の対応のしかた。それらは他のお客がホテルを選ぶ際の鍵となっていましたね。新規参入する旅行サイトは、既存の代理店と比べて手数料がかなり安価であると言われていますが、このような強みがあったのです。

 

「旅の窓口」の評判が広まったのか、新たに旅行商品を取り扱う企業も増えました。また、ネット上の宿泊予約市場が爆発的に拡大し、旅行とは関係のない企業も、ネット上で次々と自社の商品を売り始めるようになりました。



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