新型インフルエンザの旅行業界への影響

新型インフルエンザの旅行業界への影響

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旅行会社、航空会社が受ける影響は、地震、戦争などですが、それと同じくらいに感染症(SARSなど)の世界的な流行では甚大な被害を被ります。感染地域への出国やそこからの入国が危険であり、旅行を取りやめる人も増えてきます。

 

新型インフルエンザの旅行業界への影響

 

SARSの二の舞を懸念

 

2009年、メキシコや米国で感染者が多数出た新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)は、航空・旅行業界に大きな被害を与えました。これは、米国のリーマンショックから世界同時不況を招き、回復の兆しを見せていた矢先のことでした。世界経済は一層冷え込んだのです。

 

航空業界、旅行業界には、2003年のSARS,イラク戦争と同じかそれよりも大きな影響を与えています。旅行キャンセルから旅行の自粛機運が高いのです。

 

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経済に及ぼす影響

 

世界銀行や国連の予測では、新型インフルエンザ発生時は、最初の一年間で4兆ドルの経済損失を予測しました。これは、世界経済の3.1%に相当します。死亡率1%増加ごとに1.8兆ドルの損失と予測しました。

 

中国などの多くの途上国は、対応が遅れ、経済破綻の発生も懸念されました。そこから、連鎖的な世界全体への影響を及ぼすのです。2002〜2003年のSARSでは、東アジア地域の2003年GDPを0.3%押し下げたといわれています。

 

企業の渡航・出張自粛の影響

 

第一生命経済研究所は、日本で新型インフルエンザが大流行すれば、日本のGDPは4.1%(20兆円)減少すると予測しました。日本人の海外渡航は、2008年の燃料高騰や景気後退で大きく落ち込んだのです。そのため、航空・旅行業界の業績悪化の原因となりました。

 

2009年のサーチャージ値下げや円高で海外旅行が回復傾向です。2009年には、ゴールデンウィークの旅行業者予測は、10%程度の増加見込みでしたが、影響拡大により深刻な事態を招きました。

 

日本企業も渡航・出張自粛が相次ぎ、対象地域も広がりました。従って、ビジネス旅行がなくなり、航空業界は打撃を受けたのです。法人の客は単価が高いだけに、この減少は業界全体の収益に与える影響は極めて大きいのです。



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